がんへの理解進めたい 先月23日、フリーアナウンサーの小林麻央さん死去のニュースが日本を駆け巡った。34歳。歌舞伎俳優、市川海老蔵さん(39)の妻として、2人の幼い子どもの母として、光り輝く人生を歩んでいたさなかの旅立ち。伝えられる優しさや強さ。麻央さんが生きた軌跡は語り継がれるだろう。 しかし、同じ乳がんで進行度が最も高いステージ4を患う者として、麻央さんをただ賛美し、感動的な物語に仕立てる風潮には疑問を覚える。がんという病への理解が進まず、患者が抱える問題が置き去りにされる気がするからだ。 麻央さんの病に関する報道には、違和感を覚えるものも多かった。例えば昨年10月、麻央さんがブログに「ステージ4だって治したい」と書いた時は、メディアで「ステージ4」の文字が躍った。その言葉が「死」を連想させるからではなかったか。
![記者の目:小林麻央さんからの「伝言」=三輪晴美(生活報道部) | 毎日新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4ab59d2b55d8f48794b85634e15fd5bf0f148368/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2021%2F01%2F15%2F20210115hpr00m070011000q%2F0c10.jpg%3F1)