JR西日本は30日、遅れている三ノ宮駅ビル(神戸市中央区)の再整備について、社内で検討を進めてきた計画をいったん白紙にし、内容を見直すことを明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大による経営状況の急速な悪化を受け、仕切り直す。駅ビルの需要に変化が生じているとし、改めて市場調査をした上で計画を決める。 長谷川一明社長が同日の会見で「従来の考え方で駅ビルを造れない。業種、業態を含めてゼロから検証する」と言及した。都心活性化の目玉事業は、全体像が示されないまま不透明感が強まった。 同社は三ノ宮駅ビル再開発について、2018年4月に発表した中期経営計画(5カ年)で大阪、広島両駅と並ぶ「三大プロジェクト」と位置付けた。ホテルや商業施設などが入る複合ビルを「23年度以降」に開業する計画で、現地では旧ビルを解体中だ。 しかし、今春以降のコロナ禍で鉄道利用が激減し、JR西の業績は大幅に悪化。神戸市は9月、