福山市神辺町川北、市神辺歴史民俗資料館で秋季企画展「神辺の文化財展」が開かれている。古墳の出土品、古刹(こさつ)や旧家に伝わる仏像や絵画など地域ゆかりの貴重な文化財の数々が、歴史ファンを魅了している。12月1日まで。 約30点を展示。迫山第1号古墳(同市神辺町湯野)から出土した「単鳳環頭大刀」(広島県重文)をはじめ、地元出身の箏(そう)奏者葛原勾当(こうとう)が考案した木活字の印字用具、戦国期の神辺城主杉原盛重が寄進したことを示す墨書銘が記された蓮乗院(同市神辺町八尋)の仏像など、地元でも知られていない名品が並ぶ。 中でも注目は、幕末の絵師狩野一信(1816〜63年)の「五百羅漢図」の下絵と見られる掛け軸(同市神辺町川北、萬念寺蔵)。一信は「奇想の絵師」と呼ばれ、近年再評価が進んでいる。展示品は「剃度(ていど)」の場面。髪をそって仏道に入る準備をする少年たちを優しく見守る羅漢の姿が、細密な