細胞の中にありエネルギーを生産する小器官ミトコンドリアが持つDNAにわずかな突然変異があると、動物がもともと持つ自然免疫系が認識し、その細胞を排除することをマウスの実験で突き止めたと、林純一筑波大教授らが11日付米科学誌に発表した。 ミトコンドリアは、細胞の核とは異なる独自のDNAを持ち、加齢に伴って突然変異が蓄積されるが、免疫には関係しないとみられていた。 さまざまな細胞になる能力がある人工多能性幹細胞(iPS細胞)は、本人の体細胞から作れば治療に使っても拒絶反応は起きないと考えられている。しかし、林教授は「ミトコンドリアDNAの変異で拒絶反応が起き得る。自然免疫系がどの変異を認識しているかを調べたい」と話している。