著者、書名が分からないようにラッピングされた“覆面文庫本”が東京・新宿の書籍・雑貨販売店「ヴィレッジヴァンガード新宿マルイカレン店」で売り出され、注目されている。発案者のブックコーディネーター、内沼晋太郎さん(29)は「本選びの範囲は自分の気付かないうちに狭くなってしまいがち。本との偶然の出会いを楽しんで」と話す。 本棚には、あらかじめ店のブックカバーがかけられた新刊文庫本約100冊が並ぶ。来店者が“選別”する材料は、「ああ、また食べられているのか…」「やつらの信じるのは目に見えぬものだけだ」といった作中の一文によるPOP広告と表示された値段だけだ。 「POPを見たインスピレーション(直感)で選んでほしい」と同店担当者。今月から始まった企画で、すでに30冊以上が売れており、「贈答用に買い求めていくお客が多い」とか。 内沼さんは平成15年、クラフト紙で包んだ文庫本を郵便物として送付できる「文