サンゴの天敵、オニヒトデと同じ水槽で育てると、マダイが病気にかかりにくく、成長が早まる効果があることが、愛媛大南予水産研究センター(愛媛県愛南町)の三浦猛教授らの研究で分かった。 オニヒトデの分泌物に、魚の免疫力を高める成分が含まれていると三浦教授はみている。 オニヒトデは沖縄から関東以南の太平洋沿岸で時折、大発生しサンゴに被害を与えるが、駆除しても焼き捨てるだけで有効な利用法はなかった。三浦教授は「成分をうまく抽出できれば、魚の餌に混ぜるなどして養殖に役立てることができそうだ」と話している。 愛南町でも約30年前からオニヒトデ被害があり、7、8月に30匹を駆除した。愛南町商工観光課の山本正文係長は「厄介者を有効利用できれば、業者に駆除してもらいやすくなる」と期待する。