ネットに、死の影が色濃くにじんだ絵がひたすら貼り付けてあるブログを見つけた。 http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/4872375.html ひところ夢中で見入っていたズジスワフ・ベクシンスキー(1929年-2005年、ポーランドの画家)の絵だった。 少年時代にナチス・ドイツのポーランド侵攻を経験したせいなのか、作品は、死、不安、絶望、退廃、虚無、悲哀、破滅、喪失、滅失、混沌、腐敗、恐怖、終末といった情景に満ちている。 美しくもおぞましい終末世界が広がる。 人というか異形のものに成り果てたかつては人間であったもの、人の残骸や躯のようなモチーフが圧倒的に多い。 彼が描きたかった世界はそこなのだろうが、時折混じる、人型めいた何かが描かれない、茫漠として不安定で美しい建物や風景に惹かれる。 人の残骸は、風景よりずっと能弁で意味深だ。グロテスクで重い。