『弟切草』に始まる、ゲームながら大量の文章を読み進めていく「ノベルゲーム」は、2000年代には『Fate/stay night』をはじめ美少女ゲームでブームとなり、『ひぐらしのなく頃に』をはじめ同人ゲーム界をも賑わせるも、美少女ゲーム/狭義の同人ゲーム領域では徐々に低調になっていった。 だが2010年代に入るとまた異なる文脈のホラー系や青春ものなどの有力同人ゲームが、徐々にあらたなファンを獲得しつつある。 ひとつは「自作ゲーム」と呼ばれる、YouTubeやニコニコ動画などでゲーム実況の対象となり、pixivで積極的に二次創作されるようなPCゲームである。こちらの代表格には『包丁さんのうわさ』などがあり、一部はノベライズもされている。 もうひとつは、スマホ向けのノベルゲームである。こちらはガラケー用ノベルゲームの流れを汲むテンクロスや、学生サークル発ながら一部で熱い注目を集める超水道などがい