短いサイクルで次々に新製品を発売し、過去の製品を意図的に陳腐化させて、モノを売る“計画的陳腐化”戦略では、このクラウド時代に生き残ることは難しい。ユーザーに、高い満足度や所有感をしっかりと与えながら、製品を長く使ってもらうことで次につなげる。選ばれるモノづくりをAppleの戦略から学ぶ。 このところ、「“モノづくり”から“価値づくり”へ」というテーマ設定で講演を行うことが続いた。その時どきの取り巻く環境や動向に応じ、毎回、その内容を常に変化させて、少しずつアップデートしてきたが、講演内容の“核”となる部分は、筆者が以前から主張してきたことだ。今回は、その話題を中心にコラムを進めていきたい。 筆者がこの核となる主題を発信し始めたのはいつか。その源流をたどってみると、2009年に書いたコラムがスタート地点のようだ。筆者は、そのコラムの中で「IT業界、デジタル家電業界ともに、計画的な陳腐化を全メ