現在、東京で「ヒルマ・アフ・クリント展」がアジア初の回顧展として開催されている。そんな中、ヒルマ・アフ・クリント財団の理事長で、アフ・クリントの玄孫であるエリク・アフ・クリントは、「彼女の作品を美術館に展示するべきではない」と主張している。 エリクは2年前に理事長に就任して以来、アフ・クリントの意向を厳格に遵守したいという考えから財団理事と意見を対立させてきた。近年アフ・クリントの名声が高まるにつれ、その対立の規模も大きくなっている。 最近の例では、2024年、財団とメガギャラリーのデイヴィッド・ツヴィルナーが進めていた業務提携に対してエリクは、「この契約はアフ・クリント自身が自分の作品を商業化してほしくないという願いに反している」と反対。現在この提携は停滞しており、エリクはストックホルム地方裁判所に財団の理事会の全メンバーを辞任させる旨の訴状を提出した。 この争いの大きな原因は、展覧会開
