「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の「美味しんぼ」に批判が集中している。主人公の新聞記者・山岡士郎らが取材で東京電力福島第一原発を訪れた後、疲労感を訴えて鼻血を出し、井戸川克隆・前双葉町長も同調している場面の描写が批判の対象になっている。 地元紙「福島民友」は県内の仮設住宅に住む人物に「多くの人が読む有名な漫画だからこそ、原因がはっきりしないことを書いてしまえば、あたかもそれが真実なのだと誤解される恐れがある。一町民として、極めて遺憾に思う」と批判させている。地元紙だけではない、産経、読売、毎日などの全国紙もこぞって批判一色である。 これに対してスピリッツ編集部は「鼻血や疲労感の表現は、綿密な取材に基づいて、作者の表現を尊重して掲載させていただきました」とコメントを発表、火消しに躍起になっている。 原発放射能事故から3年が経って、日本の言論空間の「分断」はいよいよ深刻になっ