インスリン事始め(2) インスリンの発見・歴史1921~1922年のインスリン発見以前は小児発症の糖尿病は死の問題でした。残り数ヵ月から2年の命でしたから。インスリンを手にして初めて合併症を避けていかに生きるかという生の問題になったのです。 1921~1922年のインスリン発見以前は小児発症の糖尿病は死の問題でした。残り数ヵ月から2年の命でしたから。インスリンを手にして初めて合併症を避けていかに生きるかという生の問題になったのです。インスリンは糖尿病者にとって新しいホルモンを入手したということではなく、命そのものの復活だったのです。 『インスリンの発見』を再読して 『インスリンの発見』(マイケル・ブリス著 堀田饒訳、朝日新聞社 1993)という素晴らしい本があります。これは歴史に残るインスリンの発見を、カナダのトロント大学歴史学教授のマイケル・ブリスが膨大な資料と生き証人達と面談を積み重ね