いまや世界経済を多大な不安に陥れている欧州債務危機。問題の発端となったのがギリシャの債務破綻の危機だ。2010年に欧州委員会が統計上の不備を指摘して、実は財政が危機的な状況にあることが明らかになった。いわば財政実情を“粉飾決算”していたわけである。(フジサンケイビジネスアイ) 国際社会に向けてのこのごまかし。その一例は、8年前、2004年開催のアテネ五輪(夏季)に見ることができる。 近代五輪は、1896年、そのアテネ大会から始まった。国際的な「スポーツの祭典」として参加国の名誉をかけて競技が行われてきた。同時にその盛り上がりにより、大なり小なり開催国の経済発展に資する効果を持った。 特にこれまでは国威発揚に主眼が置かれ、開催国は国費を相当に注ぎ込んで、自国の経済発展につなげる努力もしてきた。 また、1984年の米ロサンゼルス五輪(夏季)のように、税金を一セントも使わずに開催し、徹底した商業