ガラスボトルに赤や紫の花材が入る華やかなインテリア-。実は、中には遺骨を砕いて加工したガラス玉が入っている。少子高齢化が進み、家族のありようも変わる今、「墓」の姿も変化している。近年、増えているという海洋散骨や樹木葬などの自然葬では、遺骨が遺族の手元に残らないため、さみしさを感じる人もいる。遺族が手元で供養できる新たな墓の需要が増加している。 【画像】なぜ?海岸に大量墓石 一般社団法人「日本葬送倫理協会」(福岡市西区)は2017年から、遺骨約300体を博多湾に散骨した。ただ、故人が希望しても、遺族の中には「墓がなく、初盆のお参りをどうするのか」「墓も遺骨もなく、故人と会えずさみしい」などと戸惑う声もあった。 協会は昨年夏、ハーバリウム(植物標本)に似た新たな墓を制作する「美霊珠(みれいじゅ)プロジェクト」を始めた。火葬後、遺骨の一部を滅菌処理し、ガラス玉に入れて加工。色鮮やかなプリザーブド