原発事故から1年近く経つが、この間、メディアでは反原発派の無責任な発言に依拠した報道が目立った。 とはいっても、問題の所在は既存メディアだけではない。ネット上では相変わらずツイッターなどで放射能デマが凄まじいスピードで拡散している。 新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科の碓井真史教授はその背景をこう分析する。 「人間は、自分が不安を感じているにもかかわらず現実には何も危険が起きていないという矛盾した状況を嫌う傾向があり、不安を裏付ける情報を集めようとする。これを社会心理学では『認知的不協和理論』といいます。“安全だ”と主張するよりも、“危険だ”と煽る情報が拡散しやすいのはこのためです。 気をつけなければならないのは、集団で討論していくうちに、当初の意見がどんどん過激になり、極端に走る『集団極性化』の状態に陥ってしまうこと。そして、最も過激な“危険だ”という声だけを信じるようになり、反対意見を