ヒーターの電源をONにして、ベッドの上で藤子不二雄の「まんが道」を読む。手を伸ばせば届く場所にはパイの実とアイスコーヒーがある。今日中に8巻までは読む。時間はいくらでもある。昼まで漫画を読み続けて、それから好きなだけ寝るつもりだ。 先月会社を辞めた。上司が体育会系でパワハラが辛かったとか、細かいことをねちねちと言われたとか、残業代が付かなかったとか、休みが全然なかったとか、理由を問われるといくらでも答えるが、本音を言うと「早起きして会社なんか、行きたくねえ。俺のペースでゆっくりさせろ」というところだ。 好きな時間に起き、本棚に並べられた、買ったは良いけれどなかなか読む時間がなかった本を読み始めたり、近くに定食を食べに行ったり、テレビを見たりする。晴れていて、かつ気分が良ければ自転車で浅草まで行ったりもする。なにはともあれ、時間の何もかもが好きに使えるっていうことは、良いことだ。 「空白期間