日本の大学の世界ランクはなぜ落ちる一方なのか アメリカの博士課程教育を内側から見てわかったこと 古井貞煕 豊田工業大学シカゴ校 (TTIC) 理事長 6月に発表された英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(Times Higher Education:THE)の「アジア大学ランキング」で、3年連続アジア1位だった東京大学が7位と大きく順位を落としたことが話題になっている。世界全体では、上位はほとんどアメリカの大学によって占められ、日本の大学のランキングは下降の一途をたどっている。 筆者は、3年余り前から、アメリカのシカゴにあるToyota Technological Institute at Chicago (TTIC、豊田工業大学シカゴ校)の学長を務めている。日本人でアメリカの大学の学長を務めるのは、筆者が初めてではないかと思う。その経験を踏まえ、なぜ日本の大学のランキングが低下するばか