アイデンティティって、なんだろう・・・。 中学三年のころだったか。 ボクは名画座でこの映画を観て、はじめてアイデンティティについて真剣に考え始めた記憶があります。 オクテ、だったのかな。 カミュの「異邦人」「シーシュポスの神話」に凝ったりして、社会と個人の不条理なんかにはちょっと興味を示していたけど、個そのものについてはほとんど考えていなかった気がします。 アイデンティティ・・・ 簡単に言えば「彼を彼たらしめているもの」、でしょうか。 当時はまだアイデンティティという言葉自体はあまり使われていなかったかもしれません。いまから25年ほど前。1975年頃。レゾン・デートル(存在理由)という言葉の方が(ちょっと意味は違うにしても)ずっとポピュラーだったと思います。 まぁどちらの言葉にせよ、中学生当時のボクにはまだ無縁でした。個は限りなく「社会と同一」だった。つまり「公」と違う「個」という存在が、