学生運動世代ではないので、例えばあさま山荘事件とか、安田講堂に立てこもるとか、日本赤軍・革マル・中核とか全てが後のニュースで断片的なニュース映像でしかなく、とにかくきな臭く暴力的で、忌避するものとしか感じていなかった。本書を読み、そうした様々な事件の繋がりが見えてきた面もあるが、総じて共感することは、ほぼほぼできなかった。後の時代から過去を断罪するのは適切ではないけれど、あえて素直に感じたことを述べる。所詮読書感想文だし。 学生運動はおおいに盛り上がり、様々な行動に結びついた潮流ではあったが、後の世にプラスになるものはあまりなかったというのが、本書で対談した二人の結論であった。それはそうだろうと思う。新左翼のような集団が、表舞台から姿を消した直接の原因は、その暴力性やそこから発生した血なまぐさい事件が主たる原因だ。 ただ自分は単純に、「理解してもらう努力(と感性)」が、欠けていたのが一因で