アパレル業界には一般人が理解しがたい慣習がある。ファッション流通コンサルタントの小島健輔氏によれば、「七不思議」どころではなく一冊の本になるぐらいあるという。そんな慣習に縛られるあまり、コロナ禍で業績が大打撃を受けているアパレル業界がみずからの首を絞めている側面が指摘される。アパレル崩壊はもはや自業自得……。小島氏が、そんなアパレル業界の「三不思議」と「リアルな実態」を明かす。 値札を隠す 安売り店でもない限り、アパレルの売場では商品に付けた値札を隠す慣習があり、顧客は逐一、商品をまさぐって値札を探さねばならない。取り付け位置も衿元や袖口、第二ボタン穴などと決まっているわけでなく、アイテムやデザインによってバラバラで、なかには裏の洗濯表示に取り付けているケースもあるから、スカートやワンピースの奥まで手を突っ込んで探す羽目になる。 顧客にとっては結構、面倒臭いから改善が望まれるが、アパレル業