10年間も疎遠だった血のつながらない兄と最近会ったんですよ。東京に住んでるらしく、就職活動の間、居候させてもらおうかと思って。 父の連れ子で、父が死んでからは母に少し煙たがられていた兄。高校卒業後、母からの手切れ金を持って留学。怪しいバイトしながら6年間かけて卒業し、現地で就職したまでは母経由で聞いていた。正直、こっちとしては兄がいなくなってから母の機嫌が安定したので、よかったくらいに思っていた。 そんなご都合主義の妹が突然登場し、居候の話を切り出せずモジモジしているところに「じゃウチ使いなよ、一応空き部屋あるし、ていうかもっと早く言えばいいのに」と。 その日の内にホテルから荷物を兄の家に移動、道中は終始無言。気まずい。着いた先はこの田舎モンでもわかる、明らかに表参道。なんつーところに住んでるんだと。家には同居人がいた。うん、明らかに外人。流暢な日本語をしゃべる。 兄はその夜、知人の結婚式