中学の屈辱 私の中学時代はジェンダーという言葉もまだない、70年代前半の昔である。テレビでは、スポ根ドラマや学園ドラマが人気だった時期。 学園ものでは、喧嘩が強いガサツな男子、秀才くん、か弱い美少女といった布陣に、可愛くて気の強い女子というものが登場し、「○○くん!謝んなさいよ!」とか「女だからってバカにしないで!」みたいな啖呵を切り、「やれやれ、女子にはかなわねえな」みたいな‥‥まあ何かそういうノリだった。別学の人は「楽しそうだなあ」、共学の人は「ないよこんなの」と思っていたのではないか。 中学の三年間を振り返ると、異性との思い出はほとんどない。特に仲のいい男子もいなかったし、気になってしょうがない男子もいなかったし、モテもしなかった。 私の心のアイドルは、教科書に写真が載っていた中原中也と、『ベルサイユのばら』のアンドレと、画家のモジリアニ(男前)。 「セカチュー」みたいな微笑ましいカ