批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 年末年始と山奥の実家に行っていたもので、2006年初の書き込みになります。今年もよろしくお願いいたします。正月休み中、遅ればせがらようやく佐藤優氏の『国家の罠』(新潮社)を読みました。最近、自分が書く仕事に追われ、めっきり読書量が減っておりました。この本も出版された当時から「読みたい読みたい」と思いながら、今になってしまいました。日露平和条約の締結のために私心を捨てて奔走した佐藤優氏が、いざ用済みになると外務省の自己防衛本能によって容赦なく切り捨てられていく様子は、まさに『史記』さながらの「狡兎死して走狗煮らる」の世界です。外務省幹部が次々と鈴木氏を裏切っていく中、歴史的次元で思考し、人間の尊厳と友情とを守ろうとした著者の決意の気高さに、読みながら何度も目頭が熱くなってしまいました。今後