よみがえったソクラテス(魂と可能世界) ----物理主義と心的因果の問題を理解するために---- 柴田正良 登場人物: 毒ニンジンを飲んだ後のソクラテス 物理主義者の猫「ミタマ」 アテナイ市内の牢獄の中。毒杯を仰いだソクラテスは、しかし、毒が効かずに数時間後に目を覚ましてしまう。独房の入り口近くから、なにやら猫の姿をしたものがこちらをぼうっと見ている。ソクラテスは、急に空腹を覚えた。 可能世界とあの世(輪廻転生) ソクラテス: う〜、やけに腹が空いた。ここはいよいよ、イデアの楽園か、はたまた死者たちの魂が集うという冥府ハデスか? しかし、はて面妖な。死んで魂だけになったというに、まだ腹が空くとは・・・。しかもここは、クリトンやケベス、シミアスたちがいたときのままの、あの牢獄ではないか。 それに、わたしの7