■ 匿名加工情報は何でないか・前編(保護法改正はどうなった その2) 改正で新設される「匿名加工情報」がどういうものであるか、誤解している方は少なくないと思われる。それどころか、未だはっきりしない論点も残っている。このシリーズでは、国会審議のさなかにも続いていた論点を振り返って、その謎をひとつひとつ紐解いていく。 匿名加工情報は「個人データであっても第三者提供を許す」の形ではなかった 匿名加工情報という規律の誕生は、パーソナルデータ検討会第1回の事務局資料「パーソナルデータの取扱いルール整備に向けて検討すべき論点」で図1のように書かれていたのが始まり*1であり、続く第2回で鈴木正朝委員が提出した資料「「パーソナルデータの取扱いルール整備に向けて検討すべき論点」について(私案)」がその具体的な原案となったものと言えよう。 図2の2枚目スライドは、規制改革会議の要求通り法改正なしにガイドライン