政府は、「アーキビスト」と呼ばれる公文書の保存や整理にたけた専門家を認証する公的資格制度を創設する方向で検討に入った。 公文書館の利活用促進が狙いで、国立公文書館が今年度内に業務内容や必要な能力を定めた職務基準書をまとめる方針だ。 アーキビストは、歴史資料管理の専門家で、公文書や資料が歴史的に重要かどうかを見極めて受け入れの是非を判断したり、利用者が資料を使いやすいよう整理・保存したりする。外交や安全保障など機密性の高い公文書を扱うのも特徴だ。 民間機関による認証制度はすでにあるが、「認証時に求められる能力と実務がマッチしていない」(関係者)との指摘があった。 政府は今後、公的な認証制度の制度設計を進め、2017年度中に基本計画が策定される新国立公文書館(東京・永田町)が完成するのに合わせ、導入したい考えだ。将来的に国家資格とすることも視野に入れている。