〜我が癌の記、その0、「序章」〜 私は、2022年の夏に食道癌が見つかった。その後、治療を受け、現在に至っている。診断が確定してから一年が経過した。 癌は人がよく罹るありふれた病気だし、私の癌が特別なものだったわけではない。また、私は医師や医療ジャーナリストのような医療の専門家ではないし、特別な治療によって癌がすっきり治ったというような体験を持っているわけでもない。 だが、癌についてネットに記事を書いてみると意外なくらいよく読まれるし、時には、癌について話して欲しいという趣旨の取材依頼が来る。本稿の切っ掛けになった取材もその一つだった。ある媒体から、5本立てで記事を載せたいというリクエストがあった。過去に取材を受けたことがある信頼している記者さんからの連絡だったので快諾した。自分で話をまとめるよりも、取材して記事にして貰う方が楽だ、と思った。 記者が送ってきた取材の構成案は、少々情緒的で甘
![「癌」になって、考えたこと、感じたこと(0)|Hajime Yamazaki(山崎元)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a0f6b09079a2c56591e3c47cf0e7df54706acfce/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fd2l930y2yx77uc.cloudfront.net%2Fproduction%2Fsocial_images%2Fcba6b2916312c328c8317abba9cb4ecc359d173e.png)