屋久島に自生する高さ2~3センチのキク科のイッスンキンカ。島外の比較個体は高さ数十センチまで成長する=高橋大樹・東北大大学院特任助教提供 鹿児島県の屋久島には植物学者の間で「奇妙な現象」とされる法則がある。約80種類もの植物が一斉に小型化しているのだ。島外では普通の大きさの植物がなぜ小さくなるのか――。謎に包まれた法則を東北大などの研究チームが解き明かし、ある動物に由来する可能性を明らかにした。 同大などによると、島内では茎や葉の長さが5センチに満たない「ミニチュア植物」が標高の高い地域を中心に約80種類分布している。屋久島で一部の植物が極端に小型化したことについて、植物進化学の分野では以前から不思議な現象として語られてきた。これまでに土壌の栄養不足や低温、日照不足などの説が唱えられたものの、詳細な検証はされてこなかった。 その謎を解こうと東北、京都、福島の3大学による研究チームは、屋久島