国際的に最も信頼されるエビデンス総括機関であるコクランから、2026年4月16日、衝撃的な報告が公表された。脳内のアミロイドβたんぱく質を標的とした新世代の治療薬群が、認知機能低下を「臨床的に意味のあるレベル」で抑制できないという結論である。 これまで「特効薬」として期待を集め、50カ国以上で承認された薬剤が、患者の日常生活を実際に変えるほどの効果を持たないことが、2万人超のデータを統合した厳密な分析で明らかになってしまった。 しかもこれコクランレビューは、一つの薬の問題を超え、アルツハイマー病研究の根幹であるアミロイド仮説そのものを問い直す出来事となった。 超高齢社会の日本では、厚生行政が迅速にこれらの薬を承認・保険収載しただけに、波紋は大きい。認知症治療は今、幻想から現実への転換を迫られている。 認知症に薬はあるのだろうか 認知症は現代医療が最も苦しむ疾患の一つである。日本では2025

