規模について考えている。 芥川龍之介賞というのは大変規模の大きな賞で、他の出版社の短篇新人賞と並べてみても格段に注目度が高いのである。手に取って頂ける方がほぼ十倍規模になる。何が起こるか予想がつかない。 人間、得意な規模というものがある。二人でいるには良いのだが、三人になれば微妙となって、大勢の中で会うには向かない人がいる。大人数に向けて話すのが得意な人があり、一対一でしか話しようのない相手もいる。 単行本とはとりあえずのところ商品だから、売れる売れないを決めるのは当然買い手の側となる。何人規模向けの本と表示しても駄目なのだ。 実感として、中間の規模が苦手である。中間とはどこかという話なのだが、小石は好きで街の風景も好きなのだが、人間くらいの大きさのものがどうも苦手だ。十人くらいまでの集まりが好きで、百人を超えたあたりからうろたえはじめる。多分数千冊しかでていない本が好みで十万部と言われる