山形大2年だった大久保祐映さん=当時(19)=が、119番したのに救急車が派遣されず死亡したとして、母親が山形市に約1000万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日、山形地裁(石垣陽介裁判長)で開かれた。市側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。 訴状によると、昨年10月31日早朝、市内で1人暮らしをしていた大久保さんは、体調が悪くなり119番。しかし、市消防本部は救急要請ではなく「問い合わせ」と判断。タクシーで病院に行くよう促し、救急出動しなかった。大久保さんは翌日に病死したとされる。 市側は答弁書で、通報時の消防本部職員と大久保さんの約6分間のやりとりから「生命に危険が迫っている可能性は認識し得なかった」とし、適切な対応だったと主張した。