食、医療など“健康”にまつわる情報は日々更新され、あふれています。この連載では、現在米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文や米国での状況などを交えながら、健康や医療などさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。 第6回は「STAP細胞」報道について。 ご存じの通り、理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)の小保方晴子・研究ユニットリーダーらによる「STAP細胞」の報告は、世界中の注目を浴びています。博士らは、細胞にストレスを与えて体細胞を初期化することで、すべての細胞に分化できるSTAP細胞を作製しました。それ以前、2012年に、ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授は、あらゆる細胞に変化できる万能細胞のiPS細胞を作製しました。両者の最大の違いは、iPS細胞は胎盤の細胞には分