鍵は「プラトン発スピノザ行」の上昇の道 哲学では欲望について主要な理論が二つあります。一つ目はプラトンの理論で、これは「欲望とは欠乏だ」と考えます。 「私たちが持っていないもの、私たちがなれないもの、私たちに足りないもの、それが欲望の対象である」というわけです。欠乏がなくなれば、私たちはそれに欲望を抱かなくなり、「退屈」に陥るのです。 欲望に関するもう一つの理論は、スピノザのものです。この理論では、欲望は欠乏ではなく、活動能力だと考えます。簡単に言ってしまえば、「欲望とは楽しむ力、喜ぶ力、愛する力」だという話です。 この二つの理論は大きく異なりますが、私はどちらにも真理があると考えています。マネジメントにも両方の理論が応用されるべきです。 「欲望とは欠乏のことだ」という理論で考えると、マネジメントが問題に直面するのは、その「欠乏」が満たされて欲望がなくなってしまったときです。欲望の対象を手