原子力発電の燃料代は安い。一方、火力発電の燃料代は高い。ゆえに原発を止めてその分の電力を火力発電により補おうとすると、新たに3兆円以上のお金が必要になる。これは6月7日に経済産業省の試算として海江田万里経産大臣が発表したものである。 それが大手マスコミによって広く伝えられたために、脱原発は高くつくというイメージが国民に定着した。経産省は、多くの国民が、そんなにお金がかかるのなら今後も原発を動かすべきだと考えるようになることを狙ったと思われるが、それは思わぬ方向へ世論を誘導してしまった。 火力発電のための燃料を輸入すると、多額のお金が海外に流出してしまう。しかし、そのお金を再生可能エネルギー開発のために国内に投資すれば国益になる。少々高価であろうと、再生可能エネルギーの推進は国益になる、との理屈につながったのである。 原発を止めた時の費用を高く見積もったことが、再生可能エネルギーを推進すべし