東京証券取引所の次世代売買システム開発そのものを受注したのは富士通だが、プロジェクト全体をよく見るとNTTデータが重要な役を演じていることが分かる。システム関連のトラブルの後、CIO(最高情報責任者)を送り込んだほか、RFP(提案依頼書)の作成にも深く関与した。大手ベンダーからの提案内容について、技術面の審査を支援したのもNTTデータだった。NTTデータは次期売買システムの入札に応募もせず、黒子に徹したのである。 NTTデータと東証の次世代システムのつながりは、主に三つある。一つ目は運用業務の問題分析だ。次世代システムの開発が始まる前の2005年11月、ロードモジュールの登録ミスをきっかけに売買システムが全面停止したのを機に、NTTデータは東証の依頼を受け、運用業務に関する問題点の洗い出しを始めた。その結果、承認プロセスの不備や手順ミスなど数百項目の問題を発見。東証はこれらを踏まえ、200
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