衆院選ではエネルギー政策が争点の一つだが、脱原発で増える二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスをどうするかなど、地球温暖化対策の議論が進まない。温暖化対策の国際交渉で日本の発言力が低下しかねず、ルール作りに参加できなければ産業界の負担が増すなど、日本経済への影響も懸念される。【種市房子、三島健二、ドーハ藤野基文】 「原発事故があったからといって削減義務はなくならない」。カタール・ドーハで開催中の国連気候変動枠組み条約第18回締約国会議(COP18)で、中国代表団の蘇偉(そい)副団長が先月29日、温暖化対策であいまいな姿勢を示す日本にクギを刺した。 日本は「温室効果ガス排出量を20年に90年比25%削減する」との国際公約を掲げるが、脱原発路線への転換で実現は難しい。5日の閣僚級会合で演説した長浜博行環境相は公約への言及を避け、日本の姿勢は見えないまま。今後の排出削減策を決める国際交渉は難