【バンコク時事】タイ国家放送通信委員会(NBTC)は12日、国内でサッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会の全試合が地上波テレビで無料放送されると発表した。「国民に幸福を取り戻すため」として、軍事政権の国家平和秩序評議会(NCPO)の意向で決まった。 タイ国内でのW杯のテレビ放映をめぐっては当初、放映権を持つ娯楽大手RSが衛星・ケーブルテレビ局で全試合を有料放送し、地上波の無料放送は一部に限る方針を表明。NBTCが全試合の無料放送を求めて法廷闘争に発展し、最高行政裁判所は11日、RS勝訴の判決を下した。 判決を受けて軍政は「国民に幸福を取り戻すための方策を探るよう」NBTCに伝達。結局、NBTCがRSに約4億2700万バーツ(約13億4000万円)を支払うことを条件に全試合を無料放送することになった。