利根川・江戸川水系の浄水場の水道水から水質基準値を超えるホルムアルデヒドが検出された問題で、ホルムアルデヒドの濃度が基準値を超えたとして取水を停止した5カ所の浄水場は、いずれも従来型の浄化法を採用していた。同じ流域で取水しても基準を超えなかった浄水場は新型の高度処理技術を導入しており、浄水法の新旧が住民の生活を大きく左右した。 千葉県などによると、通常の浄水処理は取水した水に薬剤を入れて異物を沈殿させ、砂によるろ過や塩素消毒後に配水する。高度浄水処理はこの処理に加え、水中にオゾンを発生させて有機物などを分解、生物活性炭で細かい異物も取り除く。 松戸市にはちば野菊の里浄水場と栗山浄水場があり取水口は同じだが、高度処理できる野菊の里は浄水後の濃度が検出限界以下だった。しかし栗山は基準値以下に処理できない恐れがあったため、取水口の濃度が高くなるたびに取水停止を繰り返した。埼玉県の行田浄水場(行田