そして保守政治は何も言えなくなる…(産経新聞政治部編集委員・阿比留瑠比 月刊正論9月号) 政治家の武器は何といっても「言葉」である。政治家は言葉を駆使して国民に自らの政策や政治信条を訴え、理解と支持を広げなくてはならない。したがって、地位や影響力のある政治家が、自らの発言に十分気を配る必要があるのは言うまでもない。 まして、インターネットがこれだけ普及した現在、政治家の一挙手一投足は注目・監視され、また記録されている。 ついうっかりと口にした不注意な言葉は、たちまちメディアで大々的に取り上げられ、独り歩きを始める。そうなると、いくら本人が真意を説明して誤解だと主張しても、もう耳を貸してはもらえない。 国民は、政治家の金銭問題や下半身スキャンダルより、むしろ「失言」に厳しい。メディアにとっても、調査が面倒で取り上げ方が難しい前者より、後者を報じる方が楽だ。 問題の複雑な背景や事情を考慮するこ