国際学会への派遣費用などを外務省関連団体「支援委員会」(廃止)に不正支出させた背任と、北方領土・国後島の発電施設工事の入札を巡る偽計業務妨害の罪に問われた同省元主任分析官・佐藤優被告(49)の上告審で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は、被告の上告を棄却する決定をした。 決定は30日付。懲役2年6月、執行猶予4年とした1、2審判決が確定する。 1、2審判決によると、佐藤被告はロシア専門家であるイスラエルの大学教授と信頼関係を作るため、2000年、この教授がイスラエルで開いた学会に代表団を派遣するなどして、支援委に計約3350万円の損害を与えた。また、同年3月に支援委が発注した国後島発電施設工事の入札で、積算価格を三井物産に漏らして落札させ、入札を妨害した。