厳しい暑さをほんの一瞬、忘れさせてくれるアイスクリーム。この冷たいデザートを初めて口にしたとされる日本人の1人は、「味は至って甘く、口中に入るるに忽ち溶けて、誠に美味なり。之をアイスクリンといふ」と、その感動を日記に綴った。 記したのは、幕府の遣米使節団に随行していた柳川当清。1860(万延元)年のことである。サンフランシスコに到着した一行は、首都ワシントンに向かうため、アメリカ政府の迎船フィラデルフィア号に乗り込んだ。その船中で、アイスクリームに出合ったのである。 舌の上ですっと溶ける甘い菓子に、どんなにか驚いたことだろう。あまりに美味しかったため、その場にいなかった仲間の分まで持ち帰ろうとアイスを懐紙に包んで懐に入れておいたところ、溶けて服までベトベトになってしまった、なんて笑い話も伝えられている。 それから150年余り。いまでは、夏が来るたびに新商品が発売され、様々なバリエーションを
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