「あの街には絶対に出店しないほうがいいんですよ……」、ある中堅ファミレスの立地開発担当A氏はそうつぶやいた。彼が話す“あの街”とは、群馬県高崎市である。 「全国展開するファミレスが必ず苦戦するのは、地域密着型のローカルチェーンが強い地域。ハンバーグチェーンの『さわやか』が強固な地盤を築く静岡や、和風レストラン『まるまつ』がある宮城がその典型ですが、高崎市はとりわけその傾向が強い。特にパスタやピザが主力のイタリアン系ファミレス店が苦しんでいます」(A氏) 実をいうと高崎市は“パスタの街”。市の商業課によれば、「高崎市は古くからうどんなどの粉食文化が発達してきた。そうした風土のなかでパスタの人気が高まり、専門店が一気に増えていった」とのこと。 来月3日には高崎のナンバーワンパスタを決める「キングオブパスタ」が開かれる。実行委員長の青島真一氏がこう話す。 「この街にパスタを根づかせたのが、昨年の