イングランド銀行前総裁の故エディ・ジョージ氏はかつて筆者に、1999年に離陸した「ユーロ」計画は10年早すぎたと話したことがある。彼は間違っていた。ユーロ計画は20年か30年早すぎたか、ことによると全く離陸すべきではなかったのかもしれない。 ジョージ氏は極めて厳格な憲法擁護論者であり、英国のユーロ加盟という問題について人前で意見を述べることはなかったが、氏の立場にはほとんど疑問の余地はなかった。 ユーロ計画は長い間、非常にうまく回り、懐疑論者を打ち負かしたかに見えた。しかし、ギリシャの問題が浮上したことで、この計画の弱点は誰の目から見ても明らかになっている。 ギリシャ危機が明らかにしたユーロ構想の弱点 ドイツの政府と財界も、彼らがフランス主導の計画と見なしていたユーロに懐疑的だったことは秘密でも何でもない。当時のドイツ首相ヘルムート・コール氏にユーロ支持を決断させたものは、「欧州連邦」に対