今この時期、「人種」に絡む問題に、どれだけ人々が敏感になっているか。その状況を端的に示すのが、アメリカでのアニメの「声」に関する問題だ。 人種差別への湧き上がる反発に伴って、アメリカのアニメ作品では、「非白人」のキャラクターの声を「白人」の俳優が担当するという状況を完全に変える。そんな動きが加速している。 Apple TV+の「セントラル・パーク」では、混合人種の役を演じていたクリステン・ベルが降板することをプロデューサーが発表し、「ファミリー・ガイ」の製作と声の出演を担当したマイク・ヘンリーや、あの「シンプソンズ」のプロデューサーたちも、今後は白人が演じている非白人キャラクターの声優(ボイスキャスト)をすべて入れ替えると声明を出した。 これまで実写映画では、たとえば「攻殻機動隊」のハリウッド実写化で、草薙素子にあたるヒロインを、白人のスカーレット・ヨハンソンが演じたときに批判が起こり、「