なぜ日本初のアルチンボルド展は実現したのか? 担当学芸員にその舞台裏を聞くこれまで日本では「だまし絵」の文脈で紹介されながら、一度も回顧展が開かれることがなかったイタリアの画家ジュゼッペ・アルチンボルド。日本初の本格的な回顧展はなぜこのタイミングで実現したのか? 担当学芸員の渡辺晋輔(国立西洋美術館主任研究員)と共催者であるNHKプロモーションの古川法子に話を聞いた。 |世界的に稀なアルチンボルド展——現在開催中の「アルチンボルド展」は、その開催が決まったときから大きな話題を集めています。本展は、アルチンボルドの代表作「四季」の《春》《夏》《秋》《冬》と「四大元素」の《大気》《火》《大地》《水》が初めて展示される、これまでにない展覧会ですが、そもそもこの展覧会の構想はいつから始まったのでしょうか?渡辺 3〜4年前ですね。日本では2000年代以前、イタリア美術の展覧会はほぼやらなかった(でき