2016年10月、インディアナ州の片田舎ニュートン郡で、30年ほど前に起きた未解決殺人事件の被害者3人の遺骨が埋葬された。 そのうち2人は1983年の連続殺人の犠牲者で、いずれも10代の男性と推定された。もうひとりは女性で、1988年に小川の岸辺で発見された。彼女は頭部を銃撃され、車のタイヤに覆われたまま焼かれていた。 その後、彼らの遺骨は黒のゴミ袋と小さなダンボール箱に入れられ、身元不明のまま郡検視官に引き継がれた。スコット・マッコードがその3つの箱を受け取ったのは、彼が人口約1万4000人のニュートン郡で検視官に任官されたばかりの2009年のことだった。 マッコードは3人をそれぞれ「アダム・ドゥ」「ブラッド・ドゥ」「シャーリーン・ドゥ」と名づけた(ドゥは、氏名不詳者につける仮名)。さらに3人の似顔絵を公開したり、人類学的鑑定や歯学的鑑定、DNA鑑定を依頼して、彼らの身元究明に励んだ。
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