これは水質が年々悪化する「淮河」(わいが)の変わりゆくさまを物悲しく描写した流行歌(はやりうた)で、淮河流域の民衆の間に広く流布しているものである。中国の河南省南部に源を発する淮河は、安徽省を経由して江蘇省に入り「洪沢湖」(こうたくこ)を形成した後に黄河と長江(=揚子江)に注ぐ、全長1087キロメートルに及ぶ中国第3の大河である。淮河流域は中国の河川の中で水質汚染が最も著しいと言われて久しく、かつての清らかな流れはその70%以上が「劣5類」(=国家水質基準で汚染度が最も高く利用不能)と判定されている。 淮河最大の支流である「沙潁河」(さえいが)は、河南省牛伏山区に源を発し、下流の安徽省まで40以上の都市を経由して流れる全長620キロメートルの河川で、その流域は面積4万平方キロメートル、人口は約2400万人である。その中流域にある河南省沈丘県周営郷の「黄孟営村」は「ガンの村」として中国全土に