大阪に強烈な存在感を放つ女子プロレスラーがいる。下野佐和子(26)。当たりの強さが自慢のパワーファイターで、将来を期待される若手選手だ。彼女にはプロレスの対戦相手とは別に、もうひとつの大きな敵がいる。原因不明の全身脱毛症…髪の毛はもとより、体中の毛が全て抜け落ちてしまったのだ。病気を告白し、ありのままの自分をさらけ出してリングに上がる。プロレスラーとして、一人の女性として戦い続ける姿を追った。 【写真】プライベートではウイッグを使用…ごくごく普通の20代の乙女 ◆同世代ではトップの実力、女子プロ界のホープ プロレスラーになるなんて思いもしなかった。介護の仕事のため鹿児島から大阪に出てきた下野は、あくまで「体を動かしたい」という理由で某団体主催のプロレス教室に通っていた。これを聞きつけたのが、大阪での新団体旗揚げを計画していたベテランレスラー・GAMI(二上美紀子、株式会社「ZABUN」代