お金も、地位も、名誉も、恋人も、家族も、なにもかもいらない。 だからただ死なせて欲しい もう、これ以上なにも望まないのに 生かされている絶望にあと何度沈めばこの闇から逃れられるの あと一歩の死神をください
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お金も、地位も、名誉も、恋人も、家族も、なにもかもいらない。 だからただ死なせて欲しい もう、これ以上なにも望まないのに 生かされている絶望にあと何度沈めばこの闇から逃れられるの あと一歩の死神をください
反重力どんぶりを食べるのは命がけだ。左手でふたを押さえながら右手で箸を構える。そしてタイミングをを見計らってふたを外すと、卵でふんわりとじた熱々のカツが重力に逆らって、顔面に向かってくる。そこを絶妙の箸さばきで口に入れていくのが反重力どんぶりの醍醐味なのだが、多くの者は箸で捉えきれず顔面を大やけどする。たまらず椅子から転げ落ちると、どんぶりの中身は天井へと向かっていく。そのため「ぐらび亭」の天井はいつもカツと米粒がへばりついていた。 反重力どんぶりは美味であるが、その味を堪能できる者はほとんどいなかった。そこで反重力どんぶり攻略の対策を練る者も現れ始めた。傘を差しながら食べれば、どんぶりの中身はすべて傘の内側に収まり、悠然と食することができるのではないか。マイどんぶりを持参して、反重力どんぶりのふたを開けると同時に、マイどんぶりを覆いかぶせれば、悠然と食すことができるのではないか。 確かに
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