県立図書館(岡山市北区丸の内)は、絵師の初代歌川広重(1797〜1858年)が倉敷市児島田の口を描いた江戸時代後期の浮世絵「山海見立相撲 備前田ノ口」を史料として購入し、希望者への公開を始めた。150年前の港町のにぎわい、瀬戸内海の穏やかさが鮮やかな色彩で紹介されている。 初代広重の最晩年に当たる1858(安政5)年の作品で、縦24センチ、横36センチ。田の口は当時、金刀比羅宮(琴平町)との両参りで知られた由加山の南参道にあり、遠景の四国、海上の巨大な鳥居とともに、船が入港して多くの人が行き交う様子が描かれている。 広重が全国の海と山の風景を相撲の取組に見立てて紹介した10組20枚のうちの1枚。諸国への観光が盛んだった江戸で販売されたという。広重は当時60歳を超えていたため、同図書館は「実際に訪れたのではなく、資料を基に描いたのではないか」とみている。 同図書館によると、初代広重が県内を描